2020年3月1日

センプルン『人間という仕事:フッサール、ブロック、オーウェルと抵抗のモラル』

センプルン『人間という仕事』読了。副題は「フッサール、ブロック、オーウェルと抵抗のモラル」である。いったいどんな共通点があるのかと思ったが、三者がそれぞれの場所で1930年代のヨーロッパの危機に直面してどのような精神で抵抗したかについての講演であった。しかし実際には三者だけでなく、その周辺や同時期に行動した知識人の話がたくさん出てきて、ナチズム、ファシズム、スターリニズムに席巻されるヨーロッパの知識人たちの群像が語られる。フッサールとオーウェルはある程度わかっているがアナール学派のマルク・ブロックの抵抗活動と最期についてはよく知らなかった。センプルンはブロックの『奇妙な敗北』を主軸に語っている。この本には翻訳があるんだね。センプルンは三者に共通する抵抗精神を「批判的合理性」「理性の勇敢さ」「民主主義に対する信」「民主的理性」と呼ぶ。こういう確信こそこれからも反復して学び直すべきものだということである。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784624932640

センプルン『人間という仕事』読了

https://www.evernote.com/l/AUaaAQi_DZVAVYIefpV1bPJgSyK7Le5CpWw

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