2019年9月12日

社会理論の対象についてのメモ

社会理論の対象についてのメモ。どこに書いたかは不明。

投稿者 野村一夫 日時 2008年7月13日 (日) 15:58 01社会学の領域 | 個別ページ
2008年7月10日 (木)
単数形の社会と複数形の社会

 ルーマンによると、近代社会は単数形の社会である。国境によって「さまざまな社会」が存在しているのではない。機能分化した「ひとつの社会」が存在しているのである。

 同様のことをウォーラーステインも述べていた。ひとつの「近代世界システム」があるだけなのだと。コーエンとケネディの『グローバル・ソシオロジー』(Cohen and Kennedy 2000=2003)でもAlbrow(1987)の「1つの世界を対象とする社会学」が必要だとする見解を援用していた。考えてみれば、マルクスもデュルケムもウェーバーもそれに近い考え方を示していた。たとえばウェーバーは比較社会学という名の下にそれを構想していた。『グローバル・ソシオロジー』によると、1914年から1945年にかけて国民中心の社会学に回帰してしまったという(訳書I:24-26)。ルーマンもウォーラーステインもオルブロウも『グローバル・ソシオロジー』の著者たちも、国民国家あるいは主権国家を分析の単位とすることを拒否している。この点については、とくにオルブロウが積極的に主張しているようで、すでに邦訳が二冊ある。
http://www.academia.edu/…/Global_sociology_with_Paul_Kenned…
Albrow, Martin, 1999, Sociology: The Basics, London: Routledge. マーティン・オルブロウ『グローバル時代の社会学』佐藤康行・内田健訳, 日本経済評論社, 2001.

投稿者 野村一夫 日時 2008年7月10日 (木) 18:24 01社会学の領域 | 個別ページ
ルーマンの社会分化の考え方

 ルーマンは社会分化について、少なくともヨーロッパ地域では四つの型に進化してきたという(長岡 2006:495)。環節的な分化、中心と周辺の分化、成層的分化、そして機能的分化である。近代社会とは機能的に分化した社会である。このさい、重要な部分システムは、経済、政治、法、科学、教育、家族、宗教、芸術、医療、マス・メディアである。

読書ノート始めます

現在進行中の研究計画で使用する予定の文献レビューを始めます。読書ノートのようなものになる予定です。できることなら週刊誌に連載するように、ひとまとまりの文献について1週間でメモしていきたい。積ん読している文献を読みながら研究計画における役割を確定していく予定です。レーニンの哲学ノー...