Socs.jpを始めたときのまえがきを再録。結局、ほとんど前に進めなかったなあ。
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かつてサッチャーは「社会なんてないんだ」と発言して波紋を呼んだことがある。日本でも少し前に「セカイ系」というジャンルが流行ったが「自分の意志がそのまま世界を動かす(破滅させる・蘇生させるとか)」といった物語形式が若い人たちに流行した。流行は終わったかに見えるが、じっさいにはセカイ系の物語は十代から三十代の人たちの内面のイデオロギーのひとつになっている。しかし「自分と世界との間」には幾層にも積み上がった「社会」がある。それはかんたんには見えない。信じることも困難。要するに社会という概念が見失われている。だからこそ「社会」について考え直したい。Rethinking Societies. それがSocs.jpの課題です。
Socs.jp管理人の野村一夫です。社会理論についてまじめに議論や情報交換ができればいいなと、ずっと昔から考えてきました。Socs.jpというドメインもそのために汎用JPドメインの初期にあたる2002年あたりに用意していたものです。完全公開のウェブですと、こういう議論は不可能で、長年、適切なプラットフォームを試してきました。ここにきてFacebookページが使えるようになって(というよりも自分とは関係ないと思っていたのです)、ようやく「自分でもできるかな」と思うようになり、昨年暮れから個人ページを作成してトレーニングしてきました。
社会理論というのは本来ディシプリンに拘束されません。ですから、たいていの研究学会の範囲を超えてしまうのです。また、それが理論であろうとするときには必ずメタレベルの知識の理論が要求されます。そこがやっかいなところです。
ところが昨今、国際バカロレアで重視されている「知の理論」が注目を浴びています。少なくとも私は高等教育の最重要課題だと認識しています。しかしながら、そのときに細分化された専門分野の研究者として何が語れるでしょうか。
Socs.jpでは、あらためて「社会の理論とはいかなるものか」「社会とは何か」「社会の知識はどうあるべきか」について議論したいと思います。よろしくお願いします。
2019年9月12日
読書ノート始めます
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